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興津螺旋 βチタン合金ねじの量産化に成功



βチタン合金とは

チタンは耐食性に非常に優れた特性を持っており、ステンレス鋼と比較しても、ほとんどの条件下で極めて優れています。特に海水に対する耐食性は、白金に匹敵します。また軽くて強く、鋼やステンレスの約6割の軽さで、比強度はステンレス鋼や鋼を上回ります。しかしここで誤解してはいけないのは、チタンはステンレスや鋼よりも強度があるというわけではないことです。

チタンを大きく区別すると、純チタンとチタン合金に分かれます。純チタンで強度が足りない場合、チタン合金を用いることになります。チタン合金をまた大きく分けるとα合金、α+β合金、β合金に分かれ、β合金は高強度で冷間加工性に優れているため、高強度のねじを製造するのには最適といわれています。



※上記ラインナップ以外にもさまざまなニーズにお答えしています。
お気軽にお問い合わせください。

こうして生まれたのが、β合金ねじです。図からわかるように、ステンレスよりも高強度で、文字通り軽くて強いねじが誕生しました。材質は、β合金の中でも強度の高いTi15-3-3-3(15V-3Al-3Cr-3Sn)を使用しています。私たちはこのTi15-3-3-3を親しみをこめてβ-153と呼んでいます。β-153は、それ自体非常に強度が高いのですが、時効処理によってさらに強度を高めることが可能です。これまでは不適とされていた、タッピンねじの製造ができるようになったのです。

β-153ねじ開発に当たって

冷間加工性に優れるといわれているβ-153ですが、それでもチタン合金の加工は非常に困難です。興津螺旋がチタン合金ねじの加工にチャレンジしたのは2000年のこと。当初はねじ一本加工することもできず、金型や設備が壊れたこともありました。しかしステンレスねじと同じ工程でチタン合金ねじを量産したいという熱意を持ち続け、研究を続けました。そして2005年の初めに量産化に成功しました。

主に行ったのは設備の改良です。チタンの加工に必要な条件を設定し、現存設備がその条件を満たしていない箇所を洗い出し、ひとつずつ改善を重ねていきました。また金型もチタン合金専用に設計しました。これはすべて当社の製造担当者によって行われました。興津螺旋の現場作業者は、この5年の内に製造設備を自らメンテナンス、改良するスキルを身につけていたのです。

チタン合金の加工ができるようになった設備では、もともと行っていたステンレスねじの加工でも効果を発揮し、生産効率は大きく向上しました。チタン合金へのチャレンジが、全体の技術力向上につながったのです。現在、当社のステンレスねじ部品は、お客様から絶大の信頼をいただけるようになっております。

競技用βチタン合金ボルト誕生

興津螺旋は、競技用βチタン合金ボルトの生産を開始しました。モータースポーツ、マリンスポーツ、自転車競技その他の用途に、高強度、軽量のβチタン合金ボルトをお試しください。

陽極酸化処理により、いろいろなカラーに発色することができます。



 

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